--香助*

「じゃ。」

そういって、あいつは立ち上がった。
俺に背を向けて歩き出した。

ってか、じゃって!?
ほかにいうことねえのかよ!!
さっきは助けてやったのに!

「あ、あと」

え、まさか?

「沙羅見つけたら教えて」

こいつに限ってないか。

「そんじゃ。」

はあ、呆れるぜ。
まったく。

「あ、あと」

まだなんかあんのかよ!

「えーと、その...」

なんだよ...
早くいえっつの。

「だから、あれ、あれだよ」

橘は俺の前にきて、小さくしゃがんだ。