中庭...
どこにいるんだろう...

「久しぶり。」

聞き覚えのある声。
すごく懐かしくて、でも切ない。

「橋本...くん...」

あたしの前に立っていたのは
4年生のときに転校した橋本准だった...。

「どう...して」

溢れ出てしまいそうな涙を
必死に堪えていった。

「中2のとき戻ってきた。」

中2?一年前?

「...なんで」

「親の都合。」

「...」

「元気だった?」

今はないよ...
心臓が止まりそうだもの。

「...」

「沙羅...」

その声で沙羅と呼ばれたのは
本当に久しぶりだった。

「待たせてごめんな。」

その言葉であたしの涙は一気に
溢れ出した。

「っ...」

あたしは泣くことしかできなかった。

あまりにも突然でびっくりしたから...