--沙羅*

「ちょっとこれる?」

あたしを呼んだのは
落合くんだった。

告白...だったら
絶対に断らなきゃ。
だって、八雲にいったもん。
それに...
忘れられない人がいるから。

「あ、あのっ」

気づいたらあたしは
落合くんに話しかけていた。

「?」

怪訝な顔をしてあたしを見た落合くん。

「もしかして...俺が告るんじゃないかとか思ってる?」

え、じゃなかったらなんなんですか?

「先に行っちゃ悪いけど、
俺じゃないよ。俺の親友。」

あ、そういうこと。

「頼まれたから呼びに来ただけ。」

「そうでしたか。」

でも、例え違う人でも
必ず断らないと。

「中庭にいるから。」

そういって落合くんはいなくなってしまった。

中庭...
早く行かなきゃ。