怖くて薫くんが見れない。



 返事しなくちゃ、何か喋らなきゃいけ
 ないのに、全身が震え上がってるから
 上手く口が動かない。



 まるで〝喋る〟という機能が無くなっ
 てしまったかのように。



 「どしたー??」



 いつの間にかあたしの目の前にいた彼
 に、慌ててあたしは後ずさる。



 何でかな。
 嫌われたくないのに、自ら嫌われる行
 動を取ってしまう。



 「あ、うん。ちょっと…」



 やっと声が出たかと思ったら、カミカ
 ミだ。



 何だか頭が痛くなってきた。



.