日誌を職員室に持って行くと、もう既
 に部活が終わっている時間で、野球部
 の顧問しかいなかった。



 教室で薫くんが待っていてくれてるら
 しいから、急がなくちゃッ



 そんなことを思いながら、階段を一気
 に駆け上がった。



 呼吸を整えながら教室に向かう。



 教室の扉に手を掛けたとき、色っぽい
 声があたしの耳に届いた。



 「ねぇー、どうして最近構ってくれな
  いわけぇー??」



 甘ったるい声が聞こえてあたしは咄嗟
 にしゃがみ込む。



 聞きたくないけど、足が動かない…。



 「別に俺ら深い関係でもねーし」



 どこか突き放すような言い方が、あた
 しの胸を抉った。



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