助之丞の冷静なひとことに、鬼谷先生は黙りこくってしまった。

 しかしまだ勇大は納得いかない様子。


「なんで歳哉はいつもひとりでかんがえて自己解決すっかなぁ!?自分で言うべきことはいえよな!」


 どうやら正論を言われたことで納まり切らなくなった矛先が歳哉の態度に向いたらしかった。



「すみません…」


 歳哉はそういう性質を持っているから、なんと言うこともできなかった。ただあやまるしかできない。



「いや…すまん…俺の頭に血が上ったのがいけなかった………」


「俺もよく考えずに主張して悪かったよ。」

 勇大と先生がともに頭を下げた。



「いやっ…!そんな…顔を上げてください!」


 あたふたする歳哉のとなりで総祐はずっと笑っていた。