「あー…そういうことか。」


 ふいに助之丞が口を開く。


「なにが“そういうことか”だよ!お前までなんなんだよ?」


「だから勇大とりあえずおちつけって…!」

「だから落ち着けだと?なんで歳哉の意味分からん反抗に付き合って落ち着ける!?」


 こうなってた勇大はたいてい誰にも止められない。唯一、効力のある八重もいない。


「こんなときに八重ねえちゃんがいたらなぁ…」


 ふいにこぼれた総祐の一言に周りがしんとなる。


「そうさ、八重のことがあるんだよ。なのに歳哉は………」


 勇大には逆効果だったか、落ち着いたのは良いが、静かに怒りの炎は燃え続けていた。


「先生が動いちゃまずいことに気付かねぇのかよ…」


 助之丞は静かに口を開いた。


「ばれるだろ…せっかく若い俺らで油断させるチャンスもあるのに…そりゃぁすでにあんな竹を斬った事実がばれてたら警戒されるかもしんねぇけどさ、八重が消えた時にはすでに今遠もいなくなってただろうし、歳哉と総祐が斬ったのはその後だからな…あいての虚をつけるんじゃねぇかなぁ。」