そして鬼谷先生は急に真剣な顔に戻って言った。


「いいか?今遠がいない今、俺がお前らにことの真相を話すだろう事は予測済みなはずだ。だからもうお前らは狙われているかもしれない…すまん!」


「いや、ここまできたのもすでに命懸けでしたから。」


 勇大が答え、さらに歳哉が続けた。


「あのー…先生が義勇軍の小判をもっていらっしゃったのはそういう事情があったからなんですか?」


「あぁ…一応忠誠を見せなければならなかった。でも今日は…」


「今日は真相を話すつもりだったから義勇軍の“しるし”は身に着けてなかったわけですか…」


 先生の言葉をさえぎり、助之丞が納得したような表情を見せた。


「あ、そういえば俺の部屋に侵入したのは歳哉か?総祐か?」


 先生は不意に思い出して笑った。お前ら侵入した跡がわかりやすすぎだ、と。


「そ…それは八重さんを捕まえた今遠さんが入ってきそうになったからですね………」


 歳哉が口ごもる。