―――そして現在の鬼谷先生の部屋に話は戻る。


「とまぁ、俺が知ってるのはここまで………のようなもんかな。」

　あのあと５人が密かにはなしていた話は、多分高津たちの一件に勘づいた河上がそれを説明したのだろう、そして、お前らの親父たちは俺の行動の真意を悟ったのだろうが知らないふりをして玄武道場のやつらに立ち向かってくれた………


　と、鬼谷先生はそこまで話して一息おいた。



「つまり…今日の試験で再び１０年前のように犠牲者がでたのも………」


―――あぁ、そうだ。


　そう言うと、先生はうつむいてしまった。



「またこんなことになって………しかも今回までお前らを選出してしまって………年齢制限はつけたものの、歳哉と総祐が割り込んで来るのは計算してた……八重のいなくなるタイミングも………」


　最後に先生は、“すまん”と付け足し、土下座する体勢となった。