ＳＷＯＲＤＭＥＮ

　もちろん、並の腕の剣士に岩など斬れるわけはなく、全員が鬼谷先生に倒された。


「くっ………」


　悔しそうな声が漏れる。

　藤井だった。


「先生がわけもなくこんなことをなさるとは考えがたい！でも…こんな………誰よりも門人たちを大事に思って下さっていたのは先生だったのに！」


　そういって藤井は倒された門人のくやしさを晴らすかのように、真剣で先生に斬りかかった。



―――キキィン…



　先生が刀を抜こうとした際に、それより速く抜刀し、前に立ちはだかった者がいた。



「なぜ止めるんだ河上ぃっ！！！」


「今は言えぬ。引け。」


「なぜだと聞いているんだ！」


「だめだ。門人は師範に立ち向かうもんじゃねぇ。それが道理だろ。」


「それだけか？」


「それ以上に理由がいるのか？」


「いるだろう！どけ！」


「やだね。」


　藤井は河上ごと斬る勢いで振りかぶったのだった。