すっかり威厳を無くしてしまった鬼谷先生であったが、気を取り直して一言言った。


「残りの者。そこの岩でよいわ。斬れ。」



「は…はい?」




 再び辺りは沈黙に包まれた。


「岩…ですか!?無理です!」



―――バキイッ



 “無理”と言った者は片っ端から腕や足の骨を折られた。


「先生!どうしてそんなっ!」


「その竹……鋼竹[ハガネタケ]といってな………その硬度は鉄に匹敵する。岩の方が楽に決まってるだろ。」

 一度は穏やかな目をしていた先生だったが、本来の目的を思い出してすっかり鋭い眼光を取り戻していた。



「殺されないだけましと思え。」



 もはや先生には何を言っても無駄だった。