「いいぞお前ら!いけいけぇ!」


 竹林一帯がにぎやかになる。



「んじゃ俺からやるぞ」


 まずは恵本だ。



―――ズパンッ


 結果は5本。


「あっれー?10本の予定が半分かよ!」

 あまり納得は行かないようだったが満足げだった。


 次の山岡も5本。

 間に藤井が再び斬ったところ、10本だった。


「やるなぁ藤井!さっきどれだけ力抜いてたんだよ!」


 熱気は増すばかりだ。


 と、ここで河上が出て来た。

 いつもとオーラが違う。まわりが凍り付くほどの強大な力が秘められているようだった。

 まわりは固唾をのんで見守った。



―――ズパパパパンッ



 一本を“残して”他はすべて倒れたのだった。


 一瞬の出来事に何が起こったかが分からず、全員が固まった。

―――ただ一人を残して。