4人の間には沈黙が漂ったものの、歳哉が沈黙を破った。


「で、親父達の命日が書かれているその小判の意味は…」


「義勇軍のしるし。」


 勇大が落ち着き払った声で答えた。


―――義勇軍、それは幕府を倒して権力を手中におさめようとしている奴等の集団。


「俺らの親父を殺したやつらも義勇軍だ。」

 助之丞が続ける。


 つまり、鬼谷先生は親父の敵(カタキ)といえる奴等の一員なのか。



「だから今遠さんも義勇軍で八重をさらったってわけか」


 改めて歳哉は納得した。



「なら一刻も早く八重ねえちゃんを救うためにこの村を出なきゃ!」


 総祐が提案するも、それはあっさりと歳哉にしりぞけられた。



「せっかく鬼谷先生が俺らを呼んでるんだ。で、先生も義勇軍なんだろ?てことは八重の居場所を知ってるかもしれない!」


「なるほどな。ただ、口を割らせるには強敵だ。」


 勇大は腕を組んでうなった。