(くそ…あんまり音は出すまいと思ったがもうこれしかない!)



 歳哉は、笹笛をふいた。


“ピーーーッ!!”



 総祐を呼ぶ合図だ。






 ちょうどその頃、総祐は、異変を感じていた。


 八重が注意を引き付けているはずなのに、子供たちがたくさん出てくるのだ。八重が作戦をしくじるわけはないし…。



 そんな折に聞こえてきた笹笛は決定的だった。

 もはやなにかが起こり始めているとしか思えない。

 いや、すでに起こっているかもしれない。まだ起こっていないことを祈るしかないのか…。