「なぁ…どう思う?」


 最初に口を開いたのは勇大だった。


「あたしは納得いかない。」



 “女は免除”と言われた八重が異論を唱えた。

 なにせ、そこらの男より強かったため、今まで剣術においては、わざわざ男女にわけて扱われることがなかったのだから。


「それを言うなら年齢で落とされた俺らも納得いかないよ!」


 総祐が口を尖らせた。



「うーん…なにがあるんだろ?」

 助之丞もなにか腑に落ちないようだった。



 そこで急に、今まで黙っていた歳哉が口を開いた。


「あのさ…とりあえず勇大さんと助之丞さんは行って来てよ」



「歳哉はそれでいいのか!?まだ俺らガキ扱いなんだぜ?」

 そんな総祐の反論も聞き入れずに続けた。



「なにかあると思うんだ…ほら、親父達の………」


―――“親父達”


 その言葉にみんなの顔は曇る。

 だが、歳哉はさらに続けた。


「八重さんが外れたのはラッキーだったよ。俺と総祐だけじゃ手が回らない。」


 その言葉に八重は反応した。

「どういうこと?」