歳哉のそんな心配など知る由もなく、総祐は明るい笑顔でみつめていた。


「なんだよ…そんなに見んなって…!」

「うわぁ歳哉照れてる~♪」

「ちがうって…!!」

「隠しても俺には隠し通せないよ♪」

「わかってらぁ…」


 なんだかんだいって総祐には隠し事ができない歳哉なのだ。

 他の人の前ではいつも冷静な歳哉は、ある意味で総祐の前にいる時だけ素の自分が出せる。


 素直になれないタイプの歳哉が唯一、素直にならざるを得ない相手が総祐。幼馴染、いや、兄弟にも近いからこそなのだろう。


(でもそんな自分を他の人には見られたくねぇんだよなぁ…)


 歳哉は心の中でひっそりと呟いた。