一方、歳哉を心配して抜け出した総祐はと言うと………。




「とーしぃーやぁぁぁ!」


 元気よく道場を飛び出し、歳哉を呼んだ。



「あぁ…総祐…」

「元気ねぇなぁ…おい!

そういえばさっき先生はなんて言ったのさ!」


「それはその…八重さんの………」


 13歳で剣術一筋、まだ純粋な歳哉には口にしがたい言葉である。

 しかし、総祐は興味津津な目で見つめてくる。


「八重さんがなんだって!?もしかして八重さんのおっぱいの話!?」


 歳哉は、総祐のその一言に、顔が沸騰するかのように真っ赤になった。今にも湯気がでてきそうだ。


「うわっ!図星かよ!歳哉ったら純情だな!」



 総祐はなにが楽しいのか、笑い転げまくった。



「なんだよ悪いかよ!ったく…」


 総祐は、歳哉の反応を楽しんでいるようでもあった。


 が、急に真顔になって歳哉の方に向き直る。