俺達は素早く服を身に付け部屋を出る。


岳の部屋の前を通ろうとした瞬間
岳が部屋から出て来た。


「うわぁ!!びっくりした!!
お前達.居たの!?」


岳が俺達を見てびっくりしてる。


これが本当なら…俺の勘違いなのか?


「わからなかったのかよ?
玄関にある靴見りゃ俺達が居る事わかんだろ?」


「今日はそんな事見る暇も無い
んだよ!!あぁ時間がない!!
悪い俺.先に出るからお前達も
出掛けるなら鍵閉めて出てくれ。」


「時間が無いって…岳.どこ行くんだよ!?」


「母さんに頼まれたんだよ。
家庭教師…前に一度教えてあげた
子がまた俺に教えてもらいたいっ
て言ってくれてるらしいんだよ。
今日がその日なんだけど…マジで
時間無い!!じゃあ.行って来る!!
星野また明日な!!」


「あっ.う.うん!!またね。」


岳は本当に急いでいるのか…階段
を転がる様に降りて行った。


岳の態度からすると俺達の事は
本当に気付いてなかったようだ。


果懍を見ると安心したように
笑っている。


「なっ。大丈夫だっただろ?(笑)」


「うん!!…良かった。」


果懍にそう言いながら一番ホッと
していたのは俺の方だったかもしれない。