絵梨…。

そう言えばコイツの名字って何だっけ…。


一ヶ月程前にナンパしたお嬢様。


親がどっかの会社の社長だって
言ってた様な…。


全然.俺はこの女に興味が無い。


俺と誠也はその場さえ楽しめりゃ
それでいい…。


でも絵梨はそうじゃなかった。


携番を交換して別れたその日の夜
俺の携帯が鳴った。


知らない番号の着信に俺はシカト
して放っておいた。


俺は絵梨の携番を登録せずに消去してたんだ。


もう二度と会う事の無い女。


そう思っていたから…。


次の日も…その次の日も鳴り続ける。


「あぁ!!しっこい野郎だな!!」


俺がキレていると誠也が俺の手
から携帯を奪った。


「一回出たら誰かわかんだろ。
もしも〜し♪貴方はだ〜れ♪?…
はあっ?絵梨?……あっ!この間の
ナンパ…っ…。あぁ.いや…俺は陸
じゃねぇから。ちょっと待って。」


慌てて誠也が俺に携帯を渡してくる。


「なんだよ!!誰なんだよ!?」


その日から…絵梨は俺の彼女気取りで…正直キツイ。


絵梨いわく俺に一目惚れしたらしいが…。


マジ…迷惑なんですけど。


絵梨にその事を何度言っても懲りずに電話してくる。