今までなら.それはただ欲望を満たすだけの行為に過ぎなかった。


それどころか相手を思いやる気持
なんて一度も持った事も無い…。


なのに…果懍に対しては
いざそんな雰囲気になっても
俺自身が緊張してしまい先に
進む事が出来なかった。


それに俺にとって果懍は特別だった。


正直.何度も果懍を抱きたいと
思ったかわからない。


でも…そんな事よりただ果懍と
一緒に居れるだけで果懍が俺の
傍に居てくれるだけで俺の心も
身体も満たされてんだ。


果懍の部屋で他愛もない話しを
している時だった…俺の股の間に
座っていた果懍が振り向く。


「ん?…どうした?」


「変な事.聞いていい?」


果懍の顔が赤い。


「いいよ…何?」


「…陸君は…私を…やっぱり
何でも無い!!ごめん。」


「何だよ。(笑)言い掛けた事は
ちゃんと言えよ。何?言って。」


「軽い女だって思わないでね…。
あのね…陸君は…私を抱きたいと
思わない?なんか…私に魅力が無
いのかなって思っちやって…陸君
が離れて行っちゃうんじゃないか
って…不安で。変な事言ってごめん。」


俺は果懍をそんなに不安にさせていたなんて考えてもいなかった。