自分の部屋に戻ると涙が出そうになった。


岳は今どんな気持ちなんだろ?


もし…俺が岳の立場だったら…あれ程.冷静に対応出来ただろうか?


岳の中にどれ程の葛藤があったのか俺には計り知れない。


そんな岳に対して唯一.俺
が出来る事…。
果懍を幸せにする事…。


岳から奪ってまで手に入れたんだ…。


岳…約束は必ず守るから…。


果懍は俺が幸せにしてみせる。


果懍が俺を選んでくれた事を後悔しないように…。


俺…頑張って果懍に相応しい
男になるから…。


俺は自分の中で岳に何度も誓った。


次の日…朝起きてリビングに
降りると以前の岳が居た。


「陸.おはよう!!(笑)」


「おはよう…。(笑)」


「おい.陸…母さんに声掛けないと
お前が居る事に気付いて無いぞ。」


ババァ…またかよ…。
見ると鼻歌を唄いながら岳の朝飯であろう目玉焼きを皿に盛っていた。


「お袋!!俺の朝飯まだかよ!?」


「キャーッ!!!」


お袋の悲鳴が響き渡る。


やっぱり…気付いて無かったのかよ…。


数分後…俺の前に出てきた目玉焼き。


いつもの様に香ばしい匂い。


なんで…いつも焦げてんだよ…。