-トントン-


「…岳?ちょっといいか?」


「………」


「…話しがあんだよ…。」


ゆっくりと扉が開く。


「…入れよ。」


お互い無言で居た。


始めに口を開いたのは岳の方からだった…。


「俺の負けだよ…。
星野の気持ちが俺から離れて
いた事はわかってたんだ。
でも…気付かない振りしてた。」


俺は驚いていた…。
あれ程.果懍に執着していた岳が
あっさりと負けを認めた。


言い争いになる事を予測していた
俺は自分が恥ずかしくなる。


「岳…ごめん…。
俺…本当に諦めようと
したんだ…。」


「わかってたよ…お前が苦しん
でた事も。それなのに俺は…。本当に俺.最低だよな。(笑)」


「岳…。」


岳…最低なのは俺の方だよ…。


ごめん。…本当ごめん…。


「お前達…付き合う事に
なったんだろ?
陸…星野はお前が幸せに
してやってくれ。」


「岳…ごめん…。」


「謝るなよ。…余計に虚しく
なるだろ…。(笑)
明日.学校で星野のにも謝って
おくよ。俺と星野は友達…その位
は許してくれるだろ?」


「うん…。果懍も喜ぶよ…。
岳…俺.果懍の事は本当に
真剣だから…大切にする。」


「あぁ。約束な…。(笑)」