「星野!!よく考えろ!!お前は陸と一緒に居て何のプラスになるんだよ!!」


「プラス?…人を好きになるのに
そんなものがどうして必要なの!!」


「星野…そんな綺麗事.言ってる
から陸に騙されるんだよ!!
コイツは女だったら誰でもいい
ような奴なんだ!!
お前もすぐにゴミの様に捨てられるんだぞ!!」


岳…テメェいい加減にしろよ…。


俺の怒りが限界を超えた時だった。


ボコッ!!…岳の顔面に誠也の拳がめり込む。


「イテッ…また…暴力…かよ…。」

「テメェ!!いい加減にしろよ!!
自分の女も守れねぇで尻尾
巻いて逃げて行く様なお前に陸の
事を悪く言う資格なんてねぇんだよ!!」


俺の目の前には…いつも笑って冗談ばかり言ってる誠也の姿は無かった。


「陸…この最低野郎は俺に任せて
早く行け…。」


「誠也…ありがと…。」


俺は果懍の手を握り締める。


果懍はそんな俺を見上げて笑ってる。


「なんだよ?…行くぞ…。」


「うん…。」


俺だけに向けられる果懍の
笑った顔。


ずっと俺だけのものであって欲しいと思う。