俺は果懍に背中を向けて歩きだす。

「陸…本当にいいのか?」


「あぁ…。」


「陸君!!」


果懍が俺を呼んでいる…。
どうしてなんだよ…お前
には岳が居るじゃねぇか…。


「星野!!お前には俺が相応
しいんだよ!!来るんだ!!」


「嫌っ!!…離して!!…陸君!!」


果懍…今.お前は俺を必要としてくれているのか?


「陸…あの2人…なんか変だよ。」


「………。」


「ほら…。父ちゃん達.夜.遅くならないと帰って来ねぇから。…鍵はポストの中に入れといてくれ。…行ってやれ。」


俺の手には誠也の家の鍵。


「誠也…。」


「好きなんだろ?
岳から奪って来いよ…。」


俺は走って果懍の元に向かった。


「陸!!何をする気だよ!!
邪魔するなって言った筈だぞ!!」


「陸君…。」


「果懍…もう泣くな。行くぞ…。」


果懍が笑って頷く。


「陸…ふざけんな!!
俺には星野が必要なんだよ!!」


「岳…俺.もうお前には遠慮しねぇから…。
俺も果懍が必要なんだ…。」


俺は果懍の手を取って歩き出す…。


果懍…本当に俺でいいのか?


もし…お前が俺を選んでくれるなら…俺はお前をどんな事からも守ってやる。