誠也の言う通り岳の慌て振りは異常だった。


そんな岳は駅に向かって走って行く。


俺達は岳が出て来た公園を覗いてみる。


「彼女♪かわいそうに
彼氏逃げちやったよ♪
ねぇ♪俺達と遊ぼうぜ!!
ちゃんと慰めてやるからさ♪」


チンピラ風の2人の男が女の身体を触りながらトイレに連れ込もうとしていた。


「嫌っ!!……止めて!!」


「……!!…果懍!!」


俺は男達に向かって行った。


「テメェら何してんだよ!!
その女から離れろ!!」


「はあっ!!お前誰に口きいてんだよ!?」


1人の男が俺に詰め寄って来る。


「テメェにだよ…。」


「陸ちゃん!!もう一人は
俺に任せてね♪」


そう言うと誠也はもう一人の男に頭突きを食らわす。


相手は鼻に命中したのか
転げ回っていた。


「つまんねぇの…立てよ!!」


誠也のドスの効いた声にその男は
逃げて行った。


「へっ?逃げちやった。(笑)」


「誠也…果懍を頼む。」


「はい…はい。」


「陸君!!止めて!!怪我でもしたらどうするの…お願い止めて!!」


「うるせぇ!!お前は黙ってろ!!」


岳…お前何してんだよ…。


自分の女ならちゃんと守ってやれよ…。