俺は何の感情も無いまま
女を抱いた。


ふすまの向こうでは誠也に
付いた女の声が響いてる。


その声に負けずに俺の下に
居る女も喘いでいた。


俺は欲望だけを満たした後
すぐに女から離れた。


最低な事をしているのは
わかってる。


「陸.また会ってくれる?」


「……気が向いたらな。」


「本当!!じゃあ待ってるから
また連絡ちょうだいね!!」


女は自分の携番とメアドを
書いた紙を俺に渡して来る。


いつものパターンだ。


俺はその紙を二度と見る
事はない。


それどころか今さっき抱いた
この女の名前さえ覚えていない。


誠也が女を連れて部屋に
入って来る。


「悪い。俺ら用事があんだよ。
また連絡するから今日は帰
って…。ごめんな。」


これもいつものパターン。


女達もこう言う事に慣れて
いるんだろう…素直に帰っ
て行く。


「陸…岳の女の事.諦められんのか?」


誠也が急に聞いて来る。


「諦めるも何も果懍…女も俺に付き纏われて迷惑してるんだと…。」


「そうかな…?岳の女お前の事
ずっと見てたぞ。何かお前に
言いたそうにしてた様な…。」


「………。」