「星野.今日は俺の家で勉強しないか?」


「前園君の家?」


「あっ…嫌ならいいんだ。
俺の家だったら参考書が
揃ってると思ったから…。」


まだ早過ぎたか?


「……そうだね!!図書館だと
探しに行くのも面倒だもんね。
でも本当にお邪魔してもいいの?」


「いいよ。大歓迎だよ(笑)」


一歩前進だな…。


どうせ母さんもまたお茶仲間
のおばさん達と出掛けて居ない
だろうし…陸もこんな早くに帰っ
て来る筈がないだろう…。


俺は考えていた。


部屋で告白して上手くいけば
星野を物にしようと…。


星野はどう考えても処女だろう。


いや…キスさえまだかもしれない。


星野みたいな女は初めての
男は大切に考える女だと思う。


星野の初めては俺じゃないと
ダメなんだ…。


駅に降りて星野と並んで
家へと向かう。


家が近くなった所で
俺の予定が狂い出す予感。


陸だ…。いつもは帰りが遅い陸が
立って携帯をいじってる。


なんで今日に限って…。


「陸!!そんな所で何してんだ?」


「………。」


「どうした?家に帰るんじゃない
のか…?…陸?」


陸が星野をじっと見ている。