その日は突然にやって来た｡


昼休み.その日は珍しく母さんが
寝坊して弁当が無い俺は真田と共
に食堂に向かう｡


俺達のテーブルの後ろから
女達の騒がしい声がする｡


｢色々なメニューがあるんだね!!
初めてだから選ぶのに迷っちやった｡｣


女の声を聞いた真田が後ろを見る｡


｢あっ｡…前園.後ろ見ろ｡｣


｢なんでだよ?｣


俺は定食を食べながら真田に聞いた｡


｢後ろに居る髪の長い方…あれが
星野だよ!!｣


｢……!!｣


思わず振り返った俺の目に
入ってきた女は俺の予想を
覆す｡


｢嘘だろ…｡｣


嬉しそうにオムライスを食ってる女を見て俺は思わず呟いてしまった｡


｢美人だろ?実は俺.中学の時から星野の事が好きなんだ｡｣


だからか…真田の顔が赤い｡


確かに綺麗な女だった｡


長い黒髪に大きな目…笑うと
えくぼが出て…他の女達には無い
育ちの良さがあった｡


その日から俺は星野を目で追うようになる｡


完璧な女…｡


俺に相応しいのは星野しか考えられない｡


俺のプライドが邪魔をして
俺から話し掛ける事が出来ず
半年が過ぎようとしていた｡