「真田.お前.この星野って
女.知ってる?」


「星野 果懍だろ。まさかお前
知らないの?
あの駅前にある星野総合病院の
お嬢様だよ!!」


星野総合病院…あの病院の娘!?


「星野.また一歩及ばずか…。
俺.星野と同じ中学だったんだ
けどさぁ…いつも2位しか取れ
ないんだ。中学の時も星野が絶対
に勝てない奴が居てさ…結局一番
になれなかったんだ。
星野にしてみれば高校に入っても
またお前が越えられない壁になる
んだろうな…。」


真田の話しでは星野には兄貴が居るらしく.その兄貴はうちの学校の卒業生で在学中は常にトップの座を維持していたらしい。


そんな兄貴は医大に在籍中で星野総合病院の次期.医院長になる事を約束されている超エリートだと真田はなぜか自分の事でも無いのに自慢げに話す。


星野 果懍…。


どんな女なんだろ?


どうせ分厚い眼鏡を掛けていて
男には一生無縁の垢抜けしない
女なんだろう…。


そんな女なんかに絶対.負けたくない。


俺は勝手に星野果懍と言う女に
対抗意識を燃やしてしまう。


そんな俺の勝手な星野像が
間違っていた事を知るのは
すぐの事だった。