-岳Side-

「……。じゃあ…俺.行くわ。」


「あぁ。気を付けてな。」


俺は昨日までとは態度の違う
陸の背中を見送る。


朝から陸は俺と目すら合わそう
としなかった。


陸の気持ちは薄々.気付いていたんだ。


星野と初めて会った時の陸の星野を見る目が俺に不安を与えていた。


そんな不安を安心に変えてくれて
いたのが星野だった。


「星野。俺の事.好き?」


「どうしたの急に。(笑)
好きじゃなかったら付き合わないよ…。」


「そっか。ありがとう。(笑)」


俺は高校に入学してすぐの
実力テストで星野の存在を
知る事になる。


俺が通ってる高校は
テストの結果は全て職員室
横の掲示板に張り出される。


1位 前園 岳 500点


2位 星野 果懍 499点


    :

「前園!!お前凄いじゃないか!!
満点なんて俺.1回も取った事
ないよ!!」


同じクラスメイトの真田が
驚いている。


俺にとってそんな事は予想
していた事。


俺は寝ずに勉強したんだ…
当たり前だ。


それより俺は自分の背後に
1点差で迫って来ている女の
事が気になっていた。


星野 果懍…。