俺がそうだったように自分
の子供までが双子だなんて…。


一度に授かった2つの命。


昨日までの俺達の不安を一気に
喜びへと変えてくれた小さな命。


そんな小さな命を2人も
俺に与えてくれた果凜。


俺は誠也が見ているにも
関わらず果凜を抱き締める。


(もっとギユッと抱き締めてやれ。)


「陸君.やっと私達の赤ちゃんに
会えるね…。待たせてごめんね。」


(なんで果凜ちゃんが
謝るんだよ。…ッッ…)


「早く会いてぇな…。」


「うん。早く会いたいね。」


(後…もう少しの辛抱だよ。)


「………果凜.ちょっとごめんな。」


-ボコッ-


「痛ってぇ…!!何だよ急に!!」


「お前さ…横でゴチャゴチャ
うるせぇんだよ!!
いちいち俺達の会話に入って
くんじゃねぇよ!!」


「俺…何か言ってた?」


「ハァ…お前…今日.料理教室だろ
早く行かねぇと遅刻すんぞ…。」


「あぁ!!本当だヤベェ!!
悪い!!俺.行くわ!!」


いや…全然悪く無いっす…。


反対に早く行っちやって下さい。


「果凜ちゃん!!重い物
持っちゃダメだよ!!
身体に気を付けてね!!」


「うん。(笑)ありがとう。」


誠也は嵐のように去って行った。