婆ちゃんに電話を掛けてまだ果凜
が家に帰っていない事を知る。


果凜…何があったんだよ?


何か言いたそうな誠也を
残し俺は駐車場に急ぐ。


もしかしたら…まだ仕事中
なのかもしれない…。


不安を消すようにそんな事を
考えながら俺は病院に行く
つもりでいた。


「…果凜…?」


駐車場に入ると俺の車の
前に果凜が立っていた。


「陸君…。」


果凜の目から涙が溢れ出す。


その涙を見て俺は全てを悟った。


俺は果凜を抱き締める。


「連絡が取れなくて
心配したんだぞ…。」


「ごめん…。」


「気にするなって言ったのに…。
果凜…まだ俺達が親になるのは
早いって事なんだよ…。」


俺が言っている事は何の
慰めにもならないかもしれない。


果凜の気持ちを考えると
胸が張り裂けそうになった。


「陸君…違うの…あのね!!
電話じゃなくて陸君の顔を見て
早く伝えたかったから来たの…。」


「えっ?」


「……陸君の赤ちゃんが
私のお腹に居るんだって。(笑)」


「……本当…に?本当なのか!?」


「うん。…それにね…」


「ヤッター…ヤッター!!」


信じらんねぇ…。


俺の子供が産まれる…。