朝.起きると果凜は俺に心配を
掛けない様に元気に振る舞って
くれていた。


でも…夜中にはまだどこかに
不安があったのか俺に何度も
しがみついて来ていた。


俺はそんな不安を少しでも
取り除いてやりたくて自分
の腕の中に果凜を包み込んだ。


スースーと寝息をたて出した果凜
の寝顔を見て俺は果凜さえ傍
に居てくれればそれでいいと
改めて思ったんだ。


「果凜やっぱり俺も
一緒に行くよ。」


「大丈夫だよ。(笑)
私も仕事の合間に診察
して貰うつもりだから
何時になるかわからないし。」


「そっか。果凜…もし…もしも
間違いだったとしても気にする
事は無いんだからな。」


「うん。(笑)」


俺は果凜の事を考えると
仕事も手につかないでいた。


昼を過ぎても果凜からの
連絡が無い。


嫌な予感がする…。


俺は悪い方向ばかり
考えていた。


「陸.どうした?
手が止まってるぞ。」


「すみません!!」


達也さんに声を掛けられ
今日1日.自分の仕事が進んで
いない事に気付く。


何とか気持ちを切り替え
仕事に集中する。


いつもより長い1日が終わり
すぐに果凜に電話を掛けると
留守番電話のままだった。