「……怖いの。…もし間違い
だったらどうしようって…。
今までにも何度か遅れた時
があったから。
もしかして…って思ってたら
次の日に来たりして…。
だから今回も…怖いんだ。
…陸君…ごめんね。」


「果凜…。何で謝るんだよ?」


「だって…ッッ…」


果凜の目から涙が落ちた。


俺は何でもっと早く気付いて
やれなかったんだろう…。


果凜は自分の周りの状況に
プレッシャーを感じていたんだ。


自分の周りでは優花が産ま
れ…紗羅が産まれた。


周りの出産ばかりを見てきた果凜
はどれだけのプレッシャーを感じ
自分を責めていたんだろう。


もしかしたら…俺も自分の
知らない間に果凜を傷付けて
いたかもしれない…。


さっきの言葉だって…。


クソッ…俺は…果凜の気持ちも
考えずに…最低だ…。


俺は果凜を抱き寄せる。


「果凜…ごめん…。
俺の方こそお前の気持ちも
わからないで…本当にごめんな。」


「陸君…。」


「果凜.もし間違いで
あってもいいんだよ…。
俺はお前さえ傍に居て
くれれば…それでいい…。」


「陸君…ありがとう…。
私…明日診てもらって来る。」


「うん…。」