それぞれ自分達の車に乗って
病院へと急ぐ。


会社を出る前に果凜に電話すると
まだ5分間隔の陣痛が続いている
らしく…。


美咲ちゃんには岳がずっと
付き添って居ると言っていた。


「今ね.お義父さんとお義母さんも
ばぁばちゃんと一緒にこっちに
向かってるって!!」


「わかった。俺も今から
そっちに行くから。
ちなみに誠也も…。(笑)」


「えっ?…わかった。(笑)」


最近は果凜も誠也の行動に対して
何事にも動じなくなった。(笑)


病院に着いて誠也と二人
美咲ちゃんの病室に向かうと
ちょうど美咲ちゃんが分娩室に
歩いて向かう所だった。


岳に支えられた美咲ちゃんは
痛みに堪えている。


立ち会いを希望していた岳は
美咲ちゃんと共に分娩室へと
入って行く。


婆ちゃんが分娩室に
向かって手を合わせていた。


「美咲ちゃん頑張って…。」


果凜が俺の横で呟く…。


俺は果凜の手をギユッと
握り締めた。


長い…長い静けさの中で
元気な産声が聞こえて来た。


オギヤ…!!…オギヤ!!


「産まれた…。」


1番に口を開いたのは誠也。


みんなが顔を見合わし
笑顔になった。