「私は陸君の存在を智で
消そうとしてたの…。
でも…陸君は私の中から
消えてはくれなかった。」


「果凜…。」


「一度日本に帰って来た時
陸君がやり直そうって言っ
てくれたでしょ?
あの時本当は凄く嬉しかった。
でもこれ以上智を裏切る事も
出来なくて…それに自分自身
にも腹が立ったの…。
どうしてこんなに好きなのに
ずっと陸君を信じて待つ事が
出来なかったんだろうって…。」


果凜は自分を責めていた。


そんな思いをさせて
しまったのは俺なんだ。


「果凜.ごめん…。辛かっただろ?
本当にごめんな。」


「陸君は何も悪くないよ。
智を利用する様な事をした
のは私なんだから…。
それでねアメリカに戻って
すぐに智に言われたの。
俺を振ってくれって…。」


「振ってくれ…?」


「うん。…陸って奴に俺は一生
勝てそうには無いからって…。
でも…まだ凜が好きな俺からは
別れを告げる事が出来ないから
凜が俺を振ってくれって言って
くれたの…。最後まで智は私を
責めようとはしなかった。」


偶然アイツを見かけた日…
もしかしたらアイツは.わざと
俺が果凜の元に向かう様に挑発
してきたのかもしれない。