岳の言葉に否定出来ない
俺が居た。


「陸…ちょっと来てくれないか。」


岳が部屋を出て
向かいの部屋に向かう。


「岳?美咲ちゃんの
部屋は横だろ!?」


-コンコン-


「はぃ。」


ん…?


「前園です。入るよ。」


「は…ぃ。」


岳が扉を開き
俺を中へと促す。


「お前の幸せはこの中にある。」


はっ?


「陸.もう一度ちゃんと
プロポーズしろよ。」


そう言って岳は俺の
背中を押し扉を閉める。


「お.おい!!岳!!」


訳がわらからず部屋の
奥に目を向ける。


…!!!


俺は自分の目を疑った。


「…果凜…。」


そこには真っ白な
ウエディングドレスを
身に纏い微笑む果凜が居た。


夢なのか現実なのかさえ
わからない。


ただ…夢なら覚めないで
ずっと見て居たいと思った。


「…陸…君…。」


愛しい…愛しい声。


夢じゃない…。


ずっと忘れる事も諦める事も
出来無かった果凜が俺の目の
前に居る。


「…果凜…。」


俺は一歩…また一歩
果凜へと近付いて行く。


果凜…ごめん。


俺はやっぱお前の事だけ
は諦められないよ。


お前以外の女は愛せないんだ…。