「…最低…。」


星野が呟く…。


「本当に俺…最低だよな。
あの頃は自分の事しか考えて
無かったんだ。…
そんな俺だったから人を
好きになって相手の事を
考える時間でさえ無駄な
時間だって思ってた。」


俺は自分の事を話しながら
自分自身でさえ卑劣で冷血
な人間だと恐ろしくなった。


「でも…陸は違う…。」


「えっ?」


今日.星野が初めて俺の
言葉に反応した瞬間だった。


「陸はずっと星野の事を
想い続けてる…。
もちろん今でも…。」


「……そんな事…ある訳
無いじゃない。」


「あるよ…。陸は星野以外の
女は愛せないんだよ。
毎日の様に違う女を連れて
た陸が星野と付き合い初め
てからは変わった。
本気で星野の事想ってたんだ。
だから今も陸は一人で居る
んだと思う。」


「…嘘…。」


「俺.陸と会ったんだ。」


「えっ…陸君と!?」


「うん…。陸から2人が別れた
って聞かされた時.凄く驚いた。
2人が離れる事は無いって
思ってたから。
星野…陸はまだ星野の事が
忘れられないんだよ。
一緒に居てやってくれないか?
そうする事で俺との関わりを
持つ事が嫌なら俺は本当に二度
と2人の前には現れないから。」