星野は俯いたまま
その場を動こうとは
せず立ったままだった。


「星野…ごめん。
謝って許される訳じゃ
無いってわかってる…」


「もういい!!…謝らないで…
もう忘れたから…。」


「でも!!…」


「思い出したくないの!!
忘れたいの!!本当に悪いと
思っているなら私の前に
二度と現れないで!!」


星野の強い拒絶に俺は
自分が犯してしまった
罪の大きさを改めて感じた。


「ごめん…。わかったよ。
俺はもう二度と星野の前に
は現れない…。
でも最後に聞いて欲しい
事があるんだ…。」


「………。」


「背中を向けててもいいから
座ってくれないか?」


俺の顔を一切見る事は
無かったが星野はその場
に腰を降ろしてくれた。


「ありがとう。」


「………。」


俺は返答の無い事を承知で
今までの事を正直に話し出した。


星野に近寄る事で
自分の将来の安定を
求め…そこに真実の
愛は無かった事…。


自分に比べ何の努力も
しない陸に意図も簡単に
星野を奪われ陸を憎む様
になった事…。


その結果…星野を傷付け
陸に苦しみを与えた。


俺の間違った感情と
くだらないプライド…。


全て正直に話した。