今…俺は星野さんから指定
された店に居る。


星野総合病院の近くの
割烹料理屋…。


俺が名前を告げると
奥の個室に通された。


もうすぐ約束の時間…。


心臓が飛び出しそうな位に
ドキドキしている。


「さすがお兄ちゃんだね♪
日本料理.食べたかったんだ♪」


「だろ。(笑)この店の料理は
全部旨いから楽しみにしてろ。」


来た…。


少し大人びた星野の声。


7年振りに会う星野は俺を
受け入れてくれるだろうか…。


襖が開く…俺は一瞬
ギユッと目を閉じた。


「よ。待たせたな…果凜
入って来いよ。」


「何?誰か居る…えっ…。」


星野さんの後ろから
顔を出した星野の顔が
強張って行く。


「果凜.コイツがお前に
話しがあるんだとよ。」


「………。」


「星野…俺が星野さんに
会わせて欲しいってお願い
したんだ…。
騙す様な真似してごめん…。」


「果凜…コイツの話しを
聞いてやれよ…。
俺はカウンターで飲んで
待ってるから…。」


「…でも…。」


「一度話す必要があるんじ
ゃないのか。逃げてばっか
りは居られねぇだろ。」


星野さんが出て行く。