俺は車を路肩に停めて
男の後を追う。


近くなった時.改めて
男の横顔を確認する。


女と顔を近付けながら
楽しそうに話している男
は間違い無くアイツだ…。


果凜を凜と呼ぶ男。


名前が思い出せない…。


……!!…智だ!!


「おい!!」


男と女が振り返る。


「お前.何してんだよ?」


「はぁ?…俺?…あんた誰?」


「テメェなんで果凜と
一緒じゃねぇんだよ!?」


「果凜…あっ…お前。」


男はやっと思い出した
様に呟いた。


「智哉…この人誰?」


一緒に居た女が怪訝そうに
俺を見て言った。


「アメリカに居た時の
元カノの元カレ。(笑)
久しぶりだな…。」


「元カノ?…元カノって
お前.果凜と別れたのかよ?」


嘘だろ?


俺はてっきりお前が果凜
を幸せにしてくれている
と思っていたのに。


「あぁ。とっくの昔にな。
正確に言えばお前と凜が
再会して俺達がアメリカに
戻ってすぐに…。
もう別れて2年も経つんだけど。
もしかしてお前.凜がこっちに
帰って来てる事も知らないの?
俺達.卒業して先月.帰って来た
んだけど。」


「…なんで別れたんだよ!!
お前.果凜に惚れてたん
じゃねぇのかよ!!」