3日経っても岳の熱は下がらない。


部屋でずっと寝たままで身体を
起こすのも辛そうな岳は飯も余り
食っていないみたいだった。


俺は学校から帰るとすぐに岳の
部屋を覗く。


「岳.気分はど…」


「よぉ.陸.お帰り。」


岳の部屋に入ると果懍が座って居た。


果懍は俺だとわかると俯いたまま
顔を上げようとしない。


「だいぶ熱も下がったんだ。
授業の遅れが気になってたら星野
がノートを持って来てくれたんだよ。(笑)」


「そ.そうか…良かったな…。邪魔
してごめん。じゃあ…。」


俺は慌てて.ドアを閉めた。


いつもなら自然と果懍の靴を
探してしまうのに今日の俺は
そんな意識も無かったんだ。


今日に限って何でだよ…。


なんで気付かなかったんだろ…。


果懍だって俺の顔なんて見たくなかっただろうに。


自分の行動に後悔していた。


岳の部屋からは微かに岳の笑い声
が聞こえてくる。


熱も下がったって言ってたっけ…。


良かった…。