「陸.今日は早いじゃない?」


「母さん陸.熱があるんだ
風邪かな?」


「風邪?おかしいわね…。バカは
風邪ひかない筈なんだけど…。」


ババァ…俺と同じ事.言ってんじゃねぇよ…。


お袋は俺の額に手を当てて驚く。


「あらぁ…本当!!風邪かしら…
バカも風邪ひくのね…。」


「変なところで感心してんじゃねぇよ!!」


岳を見るとまた俺とお袋を見て
呆れていた。


「とにかく母さん俺.星野を駅まで
送って来るから…。」


「星野さん来てたのね。
わかったわ。行ってらっしゃい。」


「陸.じゃな。ちゃんと寝てろよ。」


「あぁ…。」


岳とお袋が出て行くと廊下から
果懍の声が聞こえた。


「お邪魔してます。」


「星野さんもう帰るの?
ゆっくりしていけばいいのに?」


俺は果懍の声をベットの
中で聞いていた。


今.果懍はどんな気持ちなんだろ?


もう果懍は俺を避けるかもしれない…。


だんだんと自分のした事を後悔する。


クソッ…。俺.何やってんだよ…。


部屋から外を見ると岳と
果懍が手を繋ぎながら歩いて駅に向かう。


二人の後ろ姿を見て俺の胸が今まで以上に締め付けられた。