｢怖いのはお前だけじゃ
ないと思うよ｡
岳だってきっとお前と同じ
気持ちなんだと思う｡｣


｢岳が?…なんでだよ?｣


｢自分がそうなってしまった
理由を考えてみろよ｡
確かに岳の背負うものは
大き過ぎた…
でも岳がした事も重大な
犯罪なんだぞ｡
だからアイツが一方的にお前を
責める資格なんてねぇんだよ｡｣


｢………｡｣


｢アイツもやっと自分のした事の
重大さに気付いたからお前に連絡
して来たんだよ｡
気付いて無かったら連絡なんて
して来ねぇよ｡｣


｢怖いのは俺だけじゃ
ないんだな…｡｣


｢あぁ｡俺はそう思うけど…
いや…そう思いてぇんだ｡
今も昔の岳のままじゃ…お前達
はもう二度と元には戻れね
ぇだろからな｡
俺はもうこれ以上お前の苦
しんでる顔を見たくねぇんだ｡｣


｢そうだよな…ビビってても
仕方ねぇんだよな…｡
現実をちゃんと見なきゃ
何も始まらねぇんだから…｡｣


誠也が大きく頷いて笑ってる｡


今までに俺は何度も
コイツに助けられた｡


｢誠也…お前が居てくれて
良かったよ…ありがとうな｡｣


｢俺達はお互い様だろ｡(笑)｣


お互い様か…｡(笑)


そうかもしれないな…｡