果凜との辛い別れから
一年が過ぎようとしていた。


たまに掛かってくる拓海君
からの電話であの時以降
果凜が日本に一度も帰って
来ていない事を知る。


「元気にやってるみたいだけど
行ったら行ったきりで…
電話だって俺から掛けなきゃ
果凜からの電話待ってたら永遠に
掛かって来ねぇだろうし…
本当アイツはどれだけ俺に心配
掛けさせんだよ…。
なぁ陸?そう思わねぇか?」


俺は拓海君の愚痴を聞きながら
果凜が元気で居る事を知りホッと
していた。


それに向こうには果凜を支えて
いるあの男だって居る。


「悪い…。お前に愚痴っても
仕方ねぇよな。
そうだ…陸.兄貴とはあれから
一度も会って無いんだろ?」


「えっ?…はい…もう6年会って
無いっす。
随時前に一度だけ見掛けた事が
ありますけど…どうしてですか?」


「見掛けた?それじゃ…いや…先週.病院でお前の兄貴に会ったんだ。」


病院!?


「病院って…アイツまだ
リハビリに通わなくちゃいけない身体なんですか?」


6年経った今でも岳はまだ
不自由な身体のままなのか?


「今のアイツの事は何も
知らないんだな?
陸…兄貴.変わったぞ。」


変わった?