俺はまた自分が果凜を苦しめて
いる事は分かってた。


今更の俺の行動に
果凜が戸惑っている事も。


でも…果凜を目の前にして
しまうと抑え切れない想いと
智と言う男に対して嫉妬して
いる自分を止める事が出来
無かった。


「もう…お前と離れたく
ねぇんだよ…。
他の男の所になんか行くな…。」


俺は必死に想いを伝えた。


「…陸君は…勝手なんだよ。
今までも全て自分で勝手に決めて
私が一緒に居て欲しい時には傍に
居てくれなくて…
やっと気持ちの整理が付いた時に
また現れるんだもん!!
いつも勝手過ぎるんだよ!!」


果凜の言葉が胸に突き刺さる。


果凜の言う通りだった…。
俺は果凜が辛い時には一緒に
居てやれなかった。
そんな時に果凜を支えたのは
アイツだったんだ。


R♪…R♪

果凜の携帯が着信を告げている。


俺と一緒に居た時の携帯とは
もちろん違っていて
俺の携帯の中にある果凜の
携帯番号やメールアドレス
が変わらずにいるのか
そんな事さえも今の俺には
わからない。


ディスプレイを見た果凜は
出る事に躊躇っていた。


そんな果凜を見て俺は電話の
相手がわかった。


アイツだ…。