もう俺はどうすべきなのか
わからなくなっていた。


思いも寄らぬ男の存在。


「必ず幸せになれ…。」
何度も俺が果凜に言った言葉。


果凜が智と呼ぶ男は
果凜の幸せを叶えて
くれる男なのか?


もし…そうだとしたら…。


いくら俺が想いを伝えても
無理なのかな?


改めて大切な人を失ってしまう
かもしれない恐怖を感じた。


「やっぱり.まだ居たんだな。」


俺の頭上から聞き覚えの
ある声がした。


顔を上げるとさっきの男が
俺を見下げている。


「なんだよ。テメェこそ帰ったん
じゃねぇのかよ。
果凜はどうしたんだよ!?」


俺は辺りを見回す。


「居ないよ。一人で帰りたいって
言い出して帰っちやったから。
お前のせいだからな…。
お前がまた凜の気持ちを掻き
乱したんだ。」


「テメェは果凜の何なんだよ?」


「凜の彼氏だけど。(笑)」


「……!!」


俺は一瞬.息を呑んだ。


やっぱり…。


男の余裕の笑顔がまた俺を
苛立たせる。


「お前さ…陸って言うんだろ?
凜の元カレだよな?
今更.凜に何の用なんだよ?」


コイツの言う通りかもしれない。


本当に今更だよな。


でも…。