俺の目に映る果凜はより一層
美しさを増していて眩しい位
に輝いていた。


果凜…。


俺の言葉は声にならず
心の中で呟く…。


やっと会えた…。
俺がずっと想い続ける
ただ一人の女。


果凜が辺りを見回している。


拓海君を探しているんだろう。


俺は一歩前に出て果凜の
名前を叫んだ。


「果凜…果凜!!」


果凜が俺の声に気付いた。


「……陸…君…。どうして…。」


同時に果凜の横に居た男が
俺に向かって頭を下げる。


果凜の知り合いだったのか…。


歳は俺と同じくらいだろうか?
その男は俺に爽やかな笑顔を
向けていた。


戸惑いを隠せない果凜を
余所に男が俺に近付いて来る。


「初めまして!!藤崎 智哉
と言います。
凜…果凜さんとは
同じ大学に通ってて…」


「智!!…その人はお兄ちゃん
じゃないから…。」


男の言葉を遮るように
果凜が話す。


果凜は俺の顔を見ようとしない。


「えっ…。お兄さんじゃないの?
じゃあ…誰?…知り合い?」


果凜は答えずに俯いたままだ。


果凜…この男こそお前の何?


俺は言いようの無い不安
にかられていた。