｢お前も大人になったじゃん｡(笑)
でもな…俺がした事は決して
褒められる事じゃねぇんだよ…｡
ただの俺の自己満足だったんだ｡
結果的には果凜を余計に悲し
ませる事になったから…｡
でも…俺.後悔はしてねぇよ｡
後悔したら…今までの全ての事が
無駄になっちまうだろ…｡｣


｢陸…実は俺にはまだお前の
気持ちが一つだけわからない
事があるんだけどさ…｡｣


誠也の言いたい事は
わかってる｡


これも誠也が本気で女を
好きになった今だから言える
事かもしれない…｡


｢自分を犠牲にしてまで
惚れた女の幸せを他人に
預けていいのかよ…｡
お前の場合は自分の女を
苦しめた相手が兄貴だった
って事で余計に戻れないん
だろうけど…
本当にそれでいいのか?
果凜ちゃんだって今もお前の事
きっと待ってると思うんだけど｡｣


｢…俺もそう思ってた｡｣


｢えっ?じゃあ…｡｣


｢俺…最低だな…｡
自分からカッコつけて
果凜から離れたのに心の
どこかで果凜は俺の事ずっと
待っててくれるって…
そう思ってたんだ｡
でも…それは梨華が果凜に
電話した日までの事だけど…｡｣


｢あれはあの女が悪いんだろ!!｣