俺は誠也が羨ましく思う。


好きな女に自分の気持ちを正直に伝えれる事。


好きな女に素直になれる事。


そんな誠也が佐伯と付き合い
だして俺に言った事がある。


「陸…俺さやっとあの時の
お前の気持ちがわかったよ
うな気がするよ。
俺もあの時お前の気持ちは
わかってるって自分では思っ
てたけど…
本当はわかってなかったの
かもしれないなって…。」


「どう言う意味だよ…?」


「うまくは言えねぇけど…
本当にあの時のお前の悔しさは
俺にもわかったんだ。
でもさ…俺あの頃は真剣に好きに
なった女なんて居なかったから
お前の悔しさ以外の感情なんて
正直わかんなかった。」


「俺の感情…?」


「うん。…俺さ桃を好きになって
なんかよくわかんねぇけど…
お前と果凜ちゃんの事を思い
出して…もし桃が果凜ちゃんと
同じ目にあったらって考えたら
身体の震えが怒りで止まらなく
なって…胸が張り裂けそうになったんだ。
スゲェ痛かった…。
あぁ.俺も.もし桃がそうなったら
お前と同じ事してたなって思ったんだ…。お前の全ての気持ちが今.初めてわかった。」


誠也が目にいっぱいの涙を溜めながら俺に話す。